
今回はこのような思いを持っている方に対して、私自身が親へカミングアウトした経験談をまとめています。
・管理人のカミングアウト経験談
・親へのカミングアウトで覚悟すべきこと

・29歳フェムのレズビアン
・現在彼女と同棲中
・同棲してもうすぐ2年
・波乱の親へのカミングアウト歴あり
これからカミングアウトを考えている人、親の理解が得られず悩んでいる人に向けて、少しでも参考になれば嬉しいです。
親のレズビアン理解までの5年間

最初に、初めて親にレズビアンであるとカミングアウトした日から、現在に至るまでの経緯を表にまとめます。
2015年夏 | 母親へカミングアウト |
2016年春 | 父親へカミングアウト |
2017年春まで | 約1年間実家に帰らず |
2017年春 | 元カノと破局 |
2017年夏 | 再び両親と会うようになる |
2018年春 | 現在の彼女と付き合う |
2019年春 | 2度目のカミングアウト |
2019年夏 | 彼女と同棲をスタート |
2021年春 | 親と彼女のことについて話せるように |
親にカミングアウトしてからは色々なことがありましたが、1番辛かったのは、父親から「家に帰ってくるな」と勘当宣告を受けたことですね。
次の項目では、この表に沿ってどのようなことがあったのか説明していきます。
[2015年夏] 母親へカミングアウト
私が24歳だった頃、母親に初めて、自分が女性と付き合っていることをカミングアウトしました。
もともと父親より母親の方が話しやすい存在だったので、まずは母親に伝えるところから、私のカミングアウトは始まりましたね。
当時付き合っていた年上の彼女のこと、将来は同棲したいことなどを伝えました。
母親は驚きながらも、「あなたの人生だから」と言ってくれました。
ただ、当時の彼女に会うことは拒否され、積極的にLGBTについて話すような様子はありませんでした。
当時私は一人暮らしをしており、すぐに話せる距離ではなかったため、彼女のことも徐々に話さなくなっていきました。

[2016年春] 父親へカミングアウト
当時の彼女と同棲したい気持ちが強まったため、父親へカミングアウトすることを2016年の春に決意しました。
カミングアウトをした直後は私のことを受け入れてくれた様子でしたが、翌日に「やはり受け入れられない」と拒否されてしまいました。
当時の彼女に対して、父親からは怒りのような感情も感じましたね。
翌日の話し合いでは、「もし彼女と付き合い続けるなら、実家には帰ってくるな」と言われました。
まさか勘当宣告を受けると思っていなかったので、私自身ショックと親への怒りを強く感じたことを覚えています。

[2017年春まで] 約1年間実家に帰らず
当時の彼女とは同棲したいとまで考えていたので、私は父親に言われた通り、実家には帰らず親との連絡も取らなくなりました。
両親からの連絡も全くなく、約1年弱のこの期間が最も両親との関係性が悪化していたと思います。
今まで普通に帰れていた実家に帰れなくなるというのは、精神的にかなり辛いものがありました。
そのため当時の彼女に当たってしまったり、すぐに他人と比較したりと、あの頃は本当に荒れていたと自分でも思います。
今考えれば、「両親と離れて彼女と生きていく」ということへの覚悟が、言葉だけで全く出来ていなかったのだと思います。

[2017年春]元カノと破局
カミングアウト前から彼女との喧嘩は時折ありましたが、父親へのカミングアウト後から、更に喧嘩が増えていきました。
喧嘩が増えたのは、私の精神的な幼さが1番の要因です。
さらにお互いに仕事も忙しく、徐々にすれ違いの生活となっていった結果、2017年の春に彼女とはお別れすることとなりました。
彼女とは約3年間のお付き合いでしたが、親へのカミングアウトという経験も含め、自分を成長させてくれた期間であったと思っています。
[2017年夏] 再び両親と会うように
破局した春から夏になり、私は両親に彼女と別れたことを連絡しました。
そして自然の流れで、再び実家に顔を出したり、家族で食事に行くような関係性になりました。
ただ、この時私は26歳でしたが、親から恋人の有無についての質問は全く聞かれることはありませんでした。
また、両親との会話の内容も当たり障りのない話ばかりで、私がレズビアンであることはなかったことにされている様子でした。

[2018年春] 現在の彼女と付き合う
2018年の春になり、私は現在同棲している彼女と出会いお付き合いを始めます。
その頃も私は1人暮らしをしていたため、両親には何も伝えずに彼女との関係性を深めていました。
姉には彼女ができたことを伝え、3人で食事に行くこともありました。
姉は最初から私のセクシュアリティについて理解してくれたので、今でも私にとって心の支えとなっています。
[2019年春] 2度目のカミングアウト
彼女との交際期間が1年を過ぎた頃、2人で同棲をしたいという話が出るようになりました。
彼女とは車で約2時間かかる遠距離恋愛だったため、余計に同棲したい気持ちが強く出たのだと思います。
そこで、2019年夏の同棲に向けて、両親へ再度彼女のことをカミングアウトすることとなりました。

両親に話し合う時間を設けてもらい、彼女がいること、レズビアンとして生きたいこと、彼女と同棲をしたいことを伝えました。
両親もその時は落ち着いていて、「自分の人生だから」「色々な生き方があると思う」と同棲を認めてくれました。
ただ、「理解が追いついていない」という理由で、彼女に会ってもらうことはできませんでした。

[2019年夏] 彼女と同棲生活をスタート
両親への報告も済み、私達は同棲をスタートさせました。
同棲を始めても、時折実家には帰って家族との時間を過ごすようにしていました。
意識的に実家に帰っていた理由は、レズビアンとしての私をなかったことにされたくなかったからです。
実家に帰ると、特に母親から「生活はどう?」「うまくいっているの?」などと質問されるようになりました。

また、同棲中の家に帰る時は、母親が旅行のお土産や食料品などを、2人分持たせてくれるようになりました。
以前と比べ彼女の話も出しやすくなり、話すたびに「あなたが幸せな人生が一番」と言ってくれるようになりました。

[2021年春] 親と彼女のことについて話せるように
今年の4月に姉の結婚式があったのですが、式の前日に両親と私と「3人でごはんに行こう」と父親から提案がありました。
どんな話をするのかソワソワしていましたが、父親からは以下のような理解ある言葉をかけられました。
・新聞でもLGBTの記事をよく見るよ
・前よりはLGBTについて理解できていると思う
・彼女の仕事はどうなんだ?
・彼女と会うのはもう少し時間がほしい
5年前に比べて少しずつLGBTの理解は深まっている旨を、父親は直接私に伝えたかったようです。
彼女に会うことに対しては「もう少し時間がほしい」と言われてしまいましたが、私も「その日が来るまで気長に待とう」と思えるようになっていました。
新聞やニュースを通してLGBTを知ろうとしてくれたことが一番嬉しく、父親には父親の理解スピードがあるのだと感じた時間でした。

両親へのカミングアウトで覚悟しておくべきこと

実際に彼女に会ってもらえてはいませんが、5年という年月をかけて、両親はレズビアンへの理解をかなり深めてくれていると感じています。
もしも私が今、親へ初めてのカミングアウトをするならば、以下のような覚悟を持ってしたいなと感じます。
・理解されないことを否定しない
・親の気持ちに寄り添う努力をする
・理解まで長い時間がかかることを覚悟する
・すぐに理解してくれる親もいればそうでない親もいる
・勘当される可能性も考えておく
この5年間、娘の突然のカミングアウトに、親もショックや混乱する日がたくさんあったのだと思います。
カミングアウトをすると「理解してほしい!」という気持ちばかりになりがちですが、親の気持ちや理解スピードを考慮することも含めて、カミングアウトと言うのかなと思います。

まとめ
今回は、レズビアンであることを親へカミングアウトした、私の経験談についてまとめました。
いかがでしたでしょうか?
親のLGBTへの理解度は人それぞれで、すぐに理解してくれる親もいれば、何年も時間がかかる親もいます。
そんなことも少し理解できると、親の気持ちに寄り添う努力ができるのかもしれません。
これからカミングアウトをしようと思っている人、カミングアウトをして悩んでいる人の参考になれば嬉しいです!
読んで下さりありがとうございました。
はじめまして! このブログ(LGBTコンパス)の管理人をしております、のっちと申します。 最初に、このブログを訪れて下さり本当にありがとうございます!! 今回は、このブログを安心して見て頂けるよう、管理人のっちの自己紹介を[…]